心を育む方法 ~安心感がすべての土台~
こんにちは。
リジョインの村本です。
今日は、子育てに最初に必要な、一番大切な「安心感」のお話です。
心には幼少期の親をコピーするシステムがある
嬉しいことに、最近は、
「自分のしていることは子供にとってよくないのでは?と思って伺いました。」
「子供の心を育める親になりたいです。」
といったご依頼をお受けする機会が増えました。
私自身、一児の母になって、改めて発達心理を生身で感じる日々です。
人間には、「幼少期に親から受け取ったものを、そのまま子供にする」というシステムがあります。
たとえば、気づいたら仕草や言い方が親に似ていた、ということはよくある話です。
それも、親の「やだな」と思っていたところに限ってにてしまった。。。とか、
子供も、親のいろんなところ、真似しますよね。
ニュースに出てくる虐待の話では、虐待した親もまた、幼少期に虐待されていた。。。というのもよく聞きます。
いいものを受け継いでいくことはとてもいいことですが、
人間誰にでもある「よくない影響」も、何も意識しないでいると、そのまま受け継いでしまうものなのです。
そういった心理システムがあるからこそ、「私が変わらなくては」と意識を持っていらっしゃる親御さんたちには、
心から敬意を表したいと思いますし、私がいうのもおかしいのですが、感謝の気持ちでいっぱいになります。
心を育む土台は「安心感」
子供の知識や運動、様々な才能を育むシステムは、世の中にたくさんありますが、
子供の「心を育む」ことは、親以外にやってくれるところはありません。
どんなに才能があっても、心がエネルギー不足では、才能を使うこともできません。
健全な心が、良き選択を積み重ね、人生を動かし、逆境をも覆す力になります。
心の一番大切な土台は、親との間での絶対的安心感から始まります。
「心を育むということは、安心を与えること」
といっても過言ではないし、それにつきます。
そして、これは、子供時代にしかあげられないものなんです。
「責任」とともに絶対的安心はなくなるもの。
だからそれまでにたくさん「安心」を補充してあげる
なぜなら、大人になると絶対の安心はなくなるからです。
老後、教育、生活、お金の心配、
絶対に安心できる収入源なんてないし、
この世界にはトラブルがたくさんあることも知ってしまう、
世界情勢や、誹謗、中傷、環境汚染。。。
今日もどこかで起こる、良くない事件。
世界に目を向けると、不安や心配でいっぱいです。
そんな中で嘆いていても進まないから、私たちは毎日を少しでも笑顔で生きるために、目をそらしつつ、前を向いて歩いています。
子供時代は、それらは親がすべて引き受け、「親の責任」の元に、子供は守られています。
だから、子供は未来の心配もないし、世界の不正や危険の恐怖もありません。
大人になって社会に出ると、そういった「事実」を目の当たりにしていきます。
その世界の中で、自分で自分や家族の責任をとって生きていく。。。
それが大人になるということです。
大人になった後、この世界を希望を失わず、現実から遠ざからず、地に足をつけて、明るい気持ちで自分らしく生きるためには、
心の栄養=安心
が絶対的に必要なんですね。
安心 → 愛されてる → 自己肯定感 → アイデンティティ
安心があって初めて、「愛されているんだ」という感覚を感じることができます。
安心が先で、その後に愛情があります。
愛されている感覚が、「自分は存在していい」「自分はいい存在なんだ」というアイデンティティを築きます。
心からの安心は、親の心の状態が大切。子供は全部感じてる
子供が安心を感じるためには、
・親の機嫌が子供に向かないこと、親の顔色を伺う必要のない安心感
・いいよ、いいよ、で甘やかすだけじゃなくて、怒らなければいいんじゃなくて、親がちゃんと自分を見ていてくれる感覚
・親の愛情ドームでこの世界から守ってくれている感覚
・興味があることに没頭していいという許可
・自分がいいと思ったことを笑顔で受け止めてくれる安心感
こんな「感覚」を感じさせてあげることが大切です。
そして、最も重要なのは、安心の発信源である親の状態です。
子供は、親の表面的なやりとりではなく、心の状態を感じています。
言葉が発達していない子供は、共鳴でお話ししているんです。
だから、形ではなく、何を言うかではなく、
親が本当の場所からの笑顔や、「大丈夫だよ」「大好きだよ」という感覚でいることが大切なのです。
絶対的に親に守られている安心感があって、
そうしたら、安心の土台から「自分の存在ははなまる!」というアイデンティティの芽が出て、
「いい存在の自分の中にあるいいものを、人に、この世界にあげよう!」という気持ちが育っていきます。
そうやって育まれた心の状態で子供を社会に出してあげることができたら、その子の未来はどんなに明るいでしょうか。
親の真似はプロテクタ。だから、親が子供のために進化する!
心の底の、本当の場所からの「大丈夫だよ」がうまくあげられない時、心の中をのぞいてみると、
「幼少期になかった」「もらったことがない」
というのが出てきます。
「欲しかったのにもらってない」
という自分の傷が反応してしまうから、私たちは知らない間に、無意識に、自分の親と同じことを繰り返してしまうのです。
この、親と同じことを繰り替えるのも、プロテクタの一つなんです。
だから、子供のために私たち親が進化してあげましょう。
私たちの親も、きっと私たちのために進化して、何かを渡してくれました。
私たちも出来る限り進化して、いいものをたくさん、子供達にあげることが大切です。
自分の心と向き合い、抱きしめて、大切にして、自分には価値があると、心の本当の場所から感じられるようになる。
そのために、心に向き合ってくださる親御さんたちに、心からの敬意と尊敬をお伝えしたい気持ちです。
私たちの孫やその孫たちが、私たちよりずっといい世界で笑っていられますように!
村本明嬉子